風と土の接点 (Between Wind and Field)

 

 

 

 

中之条ビエンナーレ(群馬・中之条) 2017年

 

田んぼの真ん中に浮遊して、風になびく銀色の翼と、その動きに合わせてする動く古びた数々の木枠。

群馬県中之条町はかつて養蚕が盛んで、この集落でも世帯のほとんどが養蚕を行なっていた。同じ土地で同じ仕事をするということは地域で助け合い、生きていくためでもあった。

今、養蚕業は風前の灯火だが、土地が積み重ねて来たものは今に生きている。回転簇(かいてんぞく)と言われる養蚕の道具の木枠を土地のものとして下の翼に、それに連動して動く翼を、ヘリウムガスで浮遊させて上の翼とした。

飛ぶことは人間にとって永遠の夢だと思う。土地の歴史や積み重ねが未来の夢へと繋がっていくという関係性を風の動きで示す。