Invisible Cooperation

HIBIYA BLOSSOM 2021(東京・東京ミッドタウン日比谷) 2021年

展示場所の東京ミッドタウン日比谷は、高層ビルが立ち並ぶ都会の中心にありながら、日比谷公園や皇居といった都内随一の自然を見渡すことができる。まさに人と自然が向き合うのにふさわしい場所である。

昨今の「ウイルス」の脅威は、改めて私たちが自然の中に生かされているということを気づかさせた。この作品は軸を中心にして、半分は木材でできた自然の風を受ける翼、そしてもう半分はソーラーパネルで発電したエネルギーで風を起こす翼となっている。ソーラー発電はクリーンなエネルギーだが、内部に有害物質が使用されている自然環境に影響のあるテクノロジーである。無風時は太陽光発電によって一定の回転する動きを見せるが、自然の風が吹くとそれを受けて翼の動きは機敏に変化する。薫風となって吹き抜ける自然の風と、発電という人間のテクノロジーを対峙させることにより、双方が時にぶつかり合い、また時に協働する。

春の暖かな風が吹く中で、都会の中心で自然と人の関係性に思いを巡らす。

東京藝術大学×東京ミッドタウン日比谷