





六甲ミーツアート(兵庫・六甲山)2018年
瀬戸内海を見下ろす六甲山は、海から近いにも関わらず標高が1000m近くある。特徴的な地形は激しい気象の変化をもたらし、「六甲おろし」で知られるような強い風をもたらす風の名所だ。およそ3ヶ月ある展示期間、この六甲の風を利用して六甲山麓の御影地区がルーツである「御影石」に風の痕跡を残す試みを行う。
作品には風を受ける大きな筒が3本あり、その中にはタービンが入っている。強風でタービンが周り、その動きを利用してチスが上下に動き、御影石を叩く。尾翼のような翼は御影石の向きを変え、風向きによって叩かれる場所が変わる。3ヶ月の風の通った跡が石に刻まれていく。
目に見えない風の痕跡は、季節の変化を通じてどのように石に刻まれるのだろうか。数万年の月日を経て生まれた六甲山の御影石に、今、この瞬間に生まれる六甲山の風の痕跡を記す。